歴史の道(横浜金澤散策コース)

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歴史の道:中世からの金沢

通称”バス通り”と呼ばれる旧国道沿いには、中世から現在までの歴史を感じさせる神社仏閣・遺跡・言伝えなどが多く残されています。金沢は、鎌倉の東の玄関口として栄えたころ、風光明媚な場所としてたくさんの観光客が訪れた頃と様々な顔を持っています。

姫小島水門跡
瀬戸の内海が埋め立てられる以前、この辺りには”照天姫”の伝説の残る”姫小島”と呼ばれる中の島がありました。新田開発に取り組んだ永島段右衛門は、内海の入江口に汐除堤を築き、姫小島の両側に水門を設けました。この水門は、海水の侵入を防ぎ入江に溜まった水を海に落とすようになっていました。その後、バイパスの建設により撤去されましたが、現在は当時の資材の一部を使い復元されています。
東屋跡
金沢が観光地として栄えた頃、瀬戸橋近くに”東屋””千代本””扇屋”等の大きな割烹旅館があり、多くの文人墨客が訪れていました。
瀬戸橋
嘉元3(1305)年(金沢)北条氏は瀬戸の内海の出入り口に島を築き、両側に二つの橋を架けた”瀬戸橋”を造営しました。この橋は、金沢区全域から”瀬戸橋造営棟別銭”を取り立て造られました。
明治憲法草創の碑
明治21(1888)年6月から伊藤博文は、井上馨、伊藤巳代治、金子堅太郎らと東屋で憲法の草案を練っていました。後に、その作業は盗難や漏洩を怖れ、夏島の伊藤の別荘で行われることになりました。
昭和10(1935)年、金子堅太郎の書による碑が東屋の庭に建てられましたが、東屋が廃業したため一時野島の伊藤博文の旧別荘に移されていました。
龍華寺
知足山。真言宗御室派の準別格本山。本尊は大日如来。源頼朝が六浦山中に建立した浄願寺が始まりで、明応8(1499)年、町屋にあった光徳寺を合併し、現在地に龍華寺が再建されたと伝わっています。「江戸名所図会」には広大な敷地や本堂・庫裏・鐘桜・塔頭等が描かれています。多くの文化財が残されていますが、近年発見された”脱活乾漆像”は天平時代の貴重なものです。
瀬戸神社
かつて瀬戸の内海は、狭い出入口で平潟湾と接していました。この辺りは急流渦巻く交通の難所で、古代人は海神を祀り厚く信仰していました。鎌倉時代、源頼朝はこの霊地に伊豆三嶋明神を勧請し、鎌倉の東北の守りとしました。多くの文化財が残されていますが、”抜頭面”と”陵王面”(国重文)は源実朝が使用し、母の北条政子が奉納したと伝えられています。その他に延慶4(1311)年に朝廷から授けられた正一位の神号額や南北朝時代の御神像などがあります。鎌倉幕府滅亡後も鎌倉公方足利持氏・成氏父子の崇敬を受け、徳川家康も参拝しています。境内には樹齢千年とも伝えられるカヤの木や多くの名木・古木があります。また、謡曲”放下僧”の舞台にもなっています。
称名寺
金沢山弥勒院。真言律宗の別格本山。本尊は弥勒菩薩。鎌倉幕府の重鎮であった北条実時は金沢に別業(別邸)を持ち浄土教の持仏堂を建てましたが、文永4(1267)年、南都真言律宗の叡尊に感銘を受け、審海を開山として真言律宗に改めました。実時は学問を好み、あらゆる文献・文書を集めました。これが金沢文庫の基になりました。
実時没後は、後を受け継いだ顕時、貞顕、貞将らによって称名寺も金沢文庫も充実してきました。特に十五代執権に就いた貞顕の時代には七堂伽藍を備える大寺院に発展しました。鎌倉幕府滅亡後衰退しましたが、昭和53(1978)年から約10年かけて発掘調査が行われ、美しい”浄土庭園”が復元されました。
安立寺
福船山。日蓮宗。本尊は十界曼陀羅、感応の祖師像。もとは修験僧・悟明の庵室でしたが、下総から鎌倉に向かう日蓮と富木胤継(常忍)が船中で法論をしたが決着が付かず、金沢に着岸して悟明庵に移ってもさらに問答を続けたと云います。このとき日蓮の教えに感銘を受けた悟明は、弟子となり安立院日悟と名前を改めて、安立寺を開基したと伝えられています。”船中問答着岸の零場”の大きな石碑があります。
伝心寺
嗣法山。曹洞宗。本尊は釈迦如来。宝治元(1247)年、北条時頼が開基となって創建されたと伝えられています。後に度重なる火災にあい衰退しましたが、小田原北条氏繁が養拙宗牧を講じて開山としました。墓地には氏繁の墓碑があり、3基の宝篋印塔のうち中央にあるものか、あるいは前面にある五輪塔が氏繁の墓と伝えられています。山門の建築様式に特徴があります。
金沢八幡神社
金沢文庫の古文書のなかに、「称名寺金堂の屋根を葺くために檜皮を八幡宮の前で荷揚した」と記されています。神社の前には瀬戸の内海が広がり、八幡河岸と呼ばれる船着場がありました。この社は、古くから付近一帯の総鎮守として祀られていたようです。祭神は応神天皇ですが、明治41(1908)年、町内にあった神明社、王子社、称名寺境内にあったと伝わる鷲の宮を合祀しました。
薬王寺
三療山医王院。真言宗御室派。本尊は薬師如来(秘仏・範頼の持仏と伝えられる)。源頼朝の弟にあたる源範頼の別邸があったこの地に鎌倉時代の初期に建立された三愈山遍照房が始まりと伝えられています。範頼の位牌、かつての本尊・大日如来、種子曼陀羅、鎌倉末期の作とされる聖観世音菩薩像などがあります。明治期、寺前や谷津にあった幾つかの寺院の本尊が合祀され、近隣の石塔も集められています。


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