神奈川県立金沢文庫 | ||||||||||||||
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◆特別展「久米田寺」 神奈川県立金沢文庫に隣接する称名寺は、鎌倉幕府で重きをなした金沢北条氏の菩提寺で、各地の学僧があつまる律院でもあり、また真言密教弘通の道場、そして華厳修学の一大拠点でした。称名寺 歴代長老のうち、第三代長老の本如房湛睿は華厳、戒律、真言など の碩学でしたが、彼が教学の研鑽を深めたのは和泉国久米田寺(大阪府岸和田市)でした。 行基創建と伝わる久米田寺には、鎌倉時代からの中世絵画や古文 書が多数伝来しています。一方、湛睿とその周辺の僧侶が久米田寺 で活動したことから、称名寺にも久米田寺に関する史料が多数伝来 しており、現在金沢文庫が管理する国宝「称名寺聖教・金沢文庫文 書」の一角を占めています。久米田寺と称名寺という遠く離れた両 寺院ですが、中世には密接な僧侶の交流があり、互いの歴史や教学 研究の面で深い関係にありました。本展覧会では久米田と称名寺伝 来の資料群に加え、湛睿をはじめとする僧侶の活動と寺院間交流の なかで生成した資料を一堂に集め、中世久米田寺の歴史を紹介する とともに、知られざる両寺院の交流の歴史を解き明かします。
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